東京高裁における2つの不当判決を糾弾する幹事会声明


裁判ルールを逸脱した不当判決を乗り越え、早期職場復帰をつかみ取ろう

2014年6月9日

JAL不当解雇撤回国民支援共闘

JAL不当解雇撤回闘争に対して出された東京高裁の2つの判決(第5民事部・大竹たかし裁判長6月3日、第24民亊部・三輪和雄裁判長6月5日)は、以下のとおり、裁判ルールを逸脱し、社会規範に反した誤った判決であり、断じて容認できない。

 高裁審理において原告団と弁護団は、整理解雇四要件の適用を誤った地裁判決の不当性を明らかにするとともに、更生計画によってもすでに目標人員に達しており、解雇の必要性が全くなかったことを具体的な数字をあげて立証した。これに対して、会社側からはなんら具体的反論はなかったが、東京高裁は「更生会社である被控訴人を存続させ,これを合理的に運営する上でやむを得ないもの」であり、「管財人に委ねられた合理的な経営判断の下でされたものと認められる」として、原告らの主張を退けた。しかし、整理解雇という以上、その必要性の立証責任は会社側にあるのであり、東京高裁の判断は訴訟法の基本ルールを逸脱した許されざるものとして厳しく批判されねばならない。

 東京高裁がこうした基本的な誤りを犯した原因として指摘すべきは、会社更生における「倒産村」の存在である。つまり、高裁判決は「裁判所が認定した更生計画と管財人がおこなった行為なのだから合理的」との判断において、裁判所と(裁判所が選任した)管財人は運命共同体(グル)だと自ら語ったに等しい。これでは、更生会社においては、働く者の人権や裁判を受ける権利は事実上ないということになり、“原子力村”以上の破廉恥なカラクリといわねばならない。

 同時に、東京高裁の判断には、グローバル競争のもとで、会社の存続や経済の発展のためには働く者の権利や地域社会は犠牲にされても仕方ないという思想・価値観が色濃く感じられる。しかし、これは、憲法原則に反する発想であって、とうてい認めることはできない。原発事故の教訓にも明らかだが、「失われた20年」と指摘されるように、経済を優先するあまり、結果として格差と貧困が拡大し、ワーキングプアやブラック企業が大きな社会問題とされる日本社会になってしまった。不安定雇用の拡大などが少子化をより進行させ、今や日本は人口減少社会に突入し、労働力不足が深刻化しつつある。このまま推移すれば、人口減で多くの自治体が消滅し、100年後の日本の人口は4,300万人にまで減ると予測されている。これでは日本社会の未来はないといわざるを得ない。

 したがって、裁判所が今やるべきことは、経済・産業政策に人間や地域社会を従属させることではなく、その調和を図り、憲法に基づく人権保障によって人が幸せな日本社会を志向することである。

 とくに航空産業は、今後の需要の急激な伸びも明白なのだから、パイロットや客室乗務員の確保が安全確保のためにも喫緊の課題となっている。ところが、日本航空では、行き過ぎた人員削減の結果としてベテランが減り、不安全事例が続発し、厳しい勤務実態を理由に離職が後を絶たない悪循環が続いている。空の安全や日本航空の将来も脅かす深刻な事態なのであるから、客観的には、解雇された165名を一刻も早く職場に戻すことが経営上も必要だということは明白である。

 国民支援共闘は、裁判ルールを捻じ曲げ、倒産村擁護に走った破廉恥な東京高裁判決の誤りを断固糾弾し、それを乗り越えるとりくみを徹底的に強め、世論と共同の力で最高裁での逆転勝利判決をつかみ取るとともに、165名の早期職場復帰を実現するため、いっそう奮闘していく。

以上

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