呼びかけ


 日本航空は12月9日、パイロット94名と客室乗務員108名(合計202名)に対して、12月31日をもって解雇するとの通告を強行しました。私たち呼び掛け人は、日本航空のパイロットや客室乗務員の「整理解雇撤回」のたたかいは、日本航空に働くすべての労働者の生活と権利を守るたたかいであるとともに、利用者・国民の立場に立った日本航空の再建、安全・安心の航空行政をめざす国民的な課題である考えます。私たちは、「日本航空の不当解雇撤回をめざす国民支援共闘会議」の結成と、これへの賛同・参加を心から呼び掛けます。

日本航空の整理解雇撤回の闘いは、次のような国民的な意義を持っています。

 第一は、「整理解雇の4要件」に照らしても認められません。「整理解雇の4要件」は、不当な解雇を許さない”という多くの労働者のたたかいによって最高裁で確立した法理です。日本航空の1,500名の削減目標に対して1,706名が希望退職に応じていることや、10月までの営業利益が累計で1,327億円にも達していることを見ただけで、解雇の必要性は全くなく、「解雇権の濫用」そのものです。また、整理解雇の人選基準が、病歴や年齢の高い順の選別になっていることは、憲法27条の勤労権やILO条約・勧告に照らして、世界に例を見ない人権侵害と言えます。同時に日本航空の安全運航と職場要求実現の先頭に立っている組合役員の排除を狙う不当労働行為ともなっています。

 就職難や非正規雇用労働者の契約切りや雇止めなど、失業問題が大きな社会問題となっている中で、航空業界最大手である日本航空の不当解雇を許すなら、深刻化している雇用破壊にいっそう拍車をかけ、日本経済に重大な悪影響を及ぼすことになります。不当解雇を撤回させ、「整理解雇の4要件」を確固として守らせることは、日本の航空産業に働く労働者の雇用の安定はもちろん、全ての労働者の雇用にかかわる国民的な意義を持っています。

 第二は、公共交通機関の再建のあり方として「利益優先か」「安全優先か」ということが問われています。日本航空は短期間に高収益を上げ、2012年には株式の上場も計画しています。そのための不採算路線からの撤退であり大量の人員削減です。すでに豊かな経験と高い技量を持った多くの労働者が職場を去っています。こうした中での整理解雇が職場のモチベーションに与える影響が心配されます。安全運航を支える基盤は労働者です。日本航空の再建にあたって、貫くべきは「安全性」と「公共性」の確保でなければなりません。「安全性」と「公共性」の確保こそ利用者・国民が日本航空に求めていることです。

 第三は、日本航空の経営破綻の根本的な原因が、米国の圧力の下での歪められた航空行政にあるということです。1990年の日米構造協議での対米約束によって、過大な需要予測に基づき次々と空港の建設や拡張が進められてきました。その財源としての高い着陸料や航空機燃油税などが経営を圧迫してきました。また、日本航空は日米の貿易不均衡を理由に米国から、大型機を大量に購入(B747を113機など)してきました。これらに加え経営を圧迫したのが“規制緩和”です。1996年以降、航空の“規制緩和”が一気に進み、自社整備能力を持たない新規航空会社が次々と設立され、高収益路線を狙って運航するようになりました。その結果、幹線の利益で地方路線を維持するという「内部補助」が不可能となり、不採算路線の維持が困難となりました。このように高い着陸料や航空機燃油税などによる高い運賃の負担と地方路線からの撤退は、国民の移動する権利と、そこに働く労働者を犠牲にしてきました。日本航空での整理解雇撤回の闘いは、市場原理主義の航空政策を改めさせ、日本航空を国民の足として再生するという国民の願いと不可分のものです。

 日本航空の整理解雇を許さず、整理解雇の4要件を守らせ、利用者国民の期待に沿った再建を実現させ、歪んだ航空政策を改めさせる運動に発展させるために、多くの諸団体の方々が、こぞって本国民支援共闘会議に参加されるよう心から訴えます。                

 2010年12月20日

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