日本航空の不当解雇事件(争議)の全面解決を(要請)


 貴職も御承知のとおり、東京地裁で争われていた日本航空パイロットと客室乗務員の不当解雇事件の判決が、去る3月29日と30日にそれぞれ言い渡されました。

 2つの判決とも、原告の主張を一切採用することなく被告の主張を丸呑みし、更生計画を理由にして整理解雇の4要件を有名無実化する極めて不当な判決でした。この不当判決を容認できない142名(パイロット71名、客室乗務員71名)の原告が4月11日に控訴手続きを行いました。

 地裁判決の特徴は、労働裁判でありながら解雇され仕事を失う労働者の経済的な痛みや精神的な苦しみを慮るどころか、「これを認めるに足りる証拠がない」と断じ、原告の主張をすべて切り捨てていることです。また安全の問題でも、整理解雇の強行が職場に及ぼした悪影響について、原告が事実に基づいて主張したにもかかわらず、「にわかに想定しがたい(渡邉裁判長)」、「単なる憶測にすぎない(白石裁判長)」と、裁判官の主観で結論づけるなど、極めて乱暴な判決となっています。

 日本航空の解雇事件については、4月11日の衆議院国土交通委員会で日本共産党の穀田委員が、4月9日に発表された客室乗務員の新規採用問題を取り上げ、理不尽な解雇の実態を指摘しました。当委員会の質疑の中で貴職は、「解雇の問題については、先ほど来申し上げておりますように、やはり両者において円満に、とにかく会社において解決を図っていただきたいという立場で見守っていきたいし、指導もしていきたい、こう思っております。」と答弁されています。

 私たちは、日本航空の再建は、2012年1月19日の政府声明並びに国土交通大臣声明にあるように、民主党政権(政府)の責任で行われたものであり、日本航空の無法な整理解雇問題の責任の一端は政府にあると主張してきました。また、私たちは係争中でも再三再四、日本航空に対して事態解決に向けての協議を申し入れてきました。しかし日本航空は協議に応じる姿勢を全く示さず、事態解決の糸口はありませんでした。こうした状況下で、国土交通大臣から「円満解決に向けて指導もしていきたい」との考えが示されたことで、事態解決に向けて大きな前進が期待されるところです。

 貴職も御認識のとおり、現在の日本航空の安全は危機に瀕していると言っても過言ではありません。連続して報告されている不安全事例は、その発生数だけでなく事例内容が従来に無かったものであることが事態の深刻さを物語っています。原告はこれまで、整理解雇の手法や人選基準(病歴・年齢)、また新経営理念が安全を脅かすと警鐘を鳴らしてきました。人手不足・ベテラン排除・利益第一主義・もの言えぬ職場の行き着く先がどうなるのか、を多くの原告が経験しています。安全第一で利用者・国民に信頼される日本航空の再建のためには、日本航空が抱えているすべての係争事件の解決が最低条件であると言えます。貴職が指導力を発揮され、事態の早期円満解決を図るよう努力されることを強く要請致します。

以上